某中学受験塾で算数の講師をしています。
「生徒によって計算力は大きな差があるな」と問題を解く様子を見て感じます。
具体的には、計算問題を解くスピードがとても速い生徒と遅い生徒がいるのです。正誤の差というよりも、スピードの差がとても大きいです。
この差は、計算問題だけではなく、文章題を解く際にも見られます。
せっかく解き方を理解しているのに、計算ミスで間違えてしまえば、解き方がわからなくて解くのを諦めた生徒よりも時間の面で損しているのです。
せっかく時間をかけて解いているなら確実に答えを合わせなければいけないし、かといって、計算ばかりに、時間をかけられません。
今回は、算数の基礎となる計算力を上げる方法について、今回は東大生で塾講師をする筆者が解説していきます。
計算ミスの多いお子さんの保護者の方に読んでもらえると幸いです。
2種類の計算力
計算力と言っても大まかに2種類あります。
- 模試や入試の大門1の計算問題を得点する力
- 文章題で思考の邪魔をすることなく素早く正確に計算する力
正解不正解でわかる1の計算力の差もありますが、2の計算力の差が大きいのでは、と感じるのです。計算問題で点を取れているからといって安心できず、素早く計算できるようになる必要があるのです。
どうすれば2の計算力がつくのでしょうか。
計算の方法を覚える 字の大きさや列を整える
主に、3、4年生むけの内容です。
繰上げなどの筆算の方法、計算のルールを覚えましょう。
その際に、字の大きさや列を揃えれていると良いです。
筆算の計算ミスの原因は、自分の字が自分で読めなかったり、繰上げの数字と普通の数字の区別がついていなかったり、違う列の数字を足していたり、だったりします。
点線の補助線を引いて綺麗に揃えることを意識させてあげると良いです。
大量に計算練習する
塾の教材等で、日頃から計算練習を行うための問題があれば、継続して解きましょう。
量をこなすことで、計算力をつけることができます。瞬発力を意識しましょう。
おすすめの方法として、車に乗っているときに、対向車のナンバープレートを見て、足し算や引き算をしたり、最小公倍数や最大公約数を考えたり、素因数分解したりしてみるのはいかがでしょう。
筆者はなぜかこれが癖になってました。塾の先生に言われたのかもしれませんが、癖になってしまえば、苦痛を感じることなく、暗算力や、計算の素早さが鍛えられます。
数字の感覚や綺麗な数字を覚える
- 一番大きな位の数字だけを見て、おおよその計算結果を予想するなどの数字の大きさへの感覚
- これは◯の倍数だな、これは◯で割り切れるな、などの約数への感覚
- 平方数、立方数、○の△乗(169,216,1024,,,)の知識
などが大事です。
計算結果を見てあっているのかがある程度判断できたり、(逆に、まちがっていれば一瞬で気付ける)暗算力が上がったりします。
2番目の感覚については、割り切れるかの判定法を覚えましょう、
2の倍数、4の倍数、8の倍数、3の倍数、9の倍数、11の倍数、7の倍数、くらいはささっと見抜けると
良いです。
計算の知識をつける
1/4=0.25,3/4=0.75,1/8=0.125,3/8,=0.375,5/8=0.625,7/8=0.875 くらいの数字は暗記しましょう。
他にも、3.14×(一桁の数字)は九九のように暗記してしまいましょう。
計算の工夫として、結合法則、分配法則などを知っていると、99とかのキリのいい数字に近い数字が絡む計算は素早く解くことができます。
途中式を書く
生徒たちが問題を解く様子を見ていると、最初に筆算をし始めます。
しかし、講師としては途中式を書く習慣や、図や表を使って問題を整理する習慣をつけてほしいです。
これには理由が二つあって
- 自分がどの段階で間違えたのか振り返れるようにしておく
- 実際にの入試では、途中式や考え方を書かせる学校が多い
生徒の中には、途中式とかをあまり書かずに頭の中で処理して正解できる生徒もいます。
本音としては、そうやって正解できるならそのやり方を続けていいと思います。速く解けるならそっちの方が良いと思うくらいです。
しかし、2の理由があるから、実際の入試で途中式が必要だから、早いうちに途中式を書く習慣をつけておいて方がいいです。6年の入試直前に焦り始めても困りますね。
途中式を書くことには、メリットもあり、自分の思考を振り返れます。自分が躓きやすいポイントに気付けます。
途中式を書いて、どんな計算ミスをしたのか気付けるようになりましょう。
検算を行う
検算は、個人的にとても大事だと思っています。自身の大学受験の際にもとても大事な力だなと思っていました。
これは計算力を上げるだとか計算を早くするのとは全く異なり、計算ミスをなくす、計算ミスに自分で気づけるようにするという方法です。
大まかに、
- 妥当な答えか吟味する
- 複数の解き方、考え方で答えを出す
- 計算は出た答えで逆算する
などが挙げられます。
検算をするメリットは、自分で計算ミスに気付ける、自分で合っているか確かめられるということです。
解答を見るまで、自分の答えが合っているのかわからなくていいんですか?
入試本番で解答速報を見るまで合っているのかわからなくていいんですか?
コツを掴んで、検算できるようになると、自分の答えが合っているのか自分で確かめることができるようになります。
入試本番こども一人の状況で、自分で答えを確かめられたら、合格を自力でつかみ取れるのです。
妥当な答えか吟味する
自分の答えがありえる答えなのかを考えるという意味です。
例えば、
「10時から11時の間で、12と時計の中心を結ぶ線に関して、短針と長針が対象な位置になる時刻を求めなさい」という問題。
短針は10と11の間にあるのだから、短針は1と2の間にあります。
つまり答えは10時5分から10時10分の間にあります。この間にない答えが出たら、それは計算ミスしているのです。
他には平均算でも、
「平均点70点のクラスと平均点90点のクラス、2クラスの平均点は何点ですか」という問題で
70点と90点の間にない答えが出たら、自分が計算ミスしてるなと気付けます
このように、細かい計算をしなくても大雑把にわかることで自分の答えを確かめましょう。
複数の解き方、考え方で解く
2通りの解き方で答えが一致すれば、よほどのことがない限り正解してます。
しかし、2通りで解けばその分時間がかかります。限られた試験時間の中では難しいです。
だから、解き方二つとまで行かなくても、最後の答えを出す式を2種類書いてみるとかでも十分です。
すぐ解ける裏技のようなものを教わっていたら、普通の解き方で解いた後、裏技ででパパっと解いて確かめるのも効果的です。
計算は出た答えで逆算する
これは複雑な計算などで効果的です。
例えば 1,445× 13=18,785
がただしい計算ですが、筆算を間違えて、18,675としてしまっていたら、13の倍数なんてすぐに見分けつかないですし、間違っていることには気づきにくいです。
そこで、答えを13で割るという逆算をするんです。
正しい答えなら13で割った答えは、1,445になるはずですが、間違った答えなら1,445にはならず、自分の計算ミスに気づけるのです。
まとめ
今まで、計算力を上げる方法についてどうだったでしょう。
計算力自体を上げる方法として紹介したのは、
- 大量に計算練習する
- ナンバープレートで数遊びをする
- 数字への感覚をよくする
くらいで、それ以外は、計算ミスに気づけるようになるための方法が多かったですね。
計算力自体を上げるのには多くの時間が下krいますが、計算ミスに気づけるようになって、より効果的に計算力を上げることの助けになれルト幸いです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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