私は首都圏の大手中学受験塾で算数の講師をしています。普段の宿題チェックをする中で分かった良い家庭学習のやり方を紹介します。
いい家庭学習と悪い家庭学習では効果がまるで違って、いい家庭学習ができている生徒は確認テストでいい点数を取れています。
宿題の大まかな流れ
生徒の宿題をチェックしていると、
- そもそも解いていない問題がある
- 解いたのに丸つけをせずに放置している
- 丸つけをして間違えた問題を放置している
- 丸つけをして間違えた問題に正しい答えを赤ペンで書くだけで終わっている
といった生徒が散見されます。これらはよくない宿題のやり方の例で、改善するよう指導しています。
正しい家庭学習のやり方は大まかに「解く→丸つけ→間違いなおし→(解き直し)」です。
まずは自力で解いて、丸つけをします。丸つけをしたら間違えた問題の直しをします。直しをするときは解答解説の正しい考え方計算式と比べながら直しをします。最後に自力で正解できるようになったのかを確かめるためにとき直しをします。
ただ、他の科目の宿題も多い中で負担が大きいようであれば、解き直しをしなくても大丈夫です。
大まかな流れを確認したところで、各ステップで意識すべきことを確認していきます。
解く時に意識すること
自分がどう考えて問題を解いたのかを振り返れるように問題を解くのがポイントです。
具体的には、筆算だけ書くのではなく考え方の図や計算式を書きます。計算式は途中式でつないでイコールで結びながら答えまで求める。などです。
考え方の図や計算式途中式を書き残すのは、その問題を間違えたときに自分がどう間違えたのかを分析するためです。
他にも、難関中を中心に考え方を説明させる入試問題が多いので、早いうちから考え方を説明することを習慣にしておくという狙いもあります。
丸つけ・間違いなおしの時に意識すること
解いて放置しないでしっかり丸つけするのが一つ目のポイントです。たまに問題を解いて丸つけを忘れてくる生徒がいますが、本当にもったいないです。間違い直しをしないと効果が半減してしまいます。
間違えた問題の正しい答えを書き写して終わりにしたり、解答解説に載っている計算式を写して終わりにしている生徒は、まだ改善することができます。
二つ目のポイントは、自分が間違えた原因を特定することです。このとき、考え方や計算式を書き残しながら問題を解いておいたのが役に立ちます。解答解説に載っている考え方や計算式途中式と自分の考え方計算式途中式を比べて、自分がどの段階でどのように間違えたのかを明らかにします。例えば、考え方はあっていたのか、立式はあっていたのか、計算は正しく行えたのか、などです。原因を特定できれば次回以降に問題を解くときに、その部分を意識することができます。
解き直しの時に意識すること
上記の「問題を解く→丸つけ・間違いなおし」をしっかりと実行するとかなり時間がかかるはずです。ですから、解き直しをするのは余裕のある人だけで大丈夫です。
余裕があるのなら、間違えてから間違い直しの終わった問題をも一度解いてみてください。このとき、初めて解く気持ちでもう一回解きます。問題の数値やどんな計算をするのか、なんなら答えの値まで覚えてしまっているかもしれませんが、どうしてその考え方、その立式をするのかの理由を考えながら解き直します。
これと同じ問題、少し数字が変わった問題がテストに出たら絶対に正解するぞ!という気持ちで解き直して、自力で解けるか確認します。
家庭学習がうまくいかないのなら家庭教師の利用も
親が算数を教えることができなくて、子供一人でうまく宿題を進めることができないのであれば、家庭教師を利用してみるのもおすすめです。
東大生がオンラインで個別指導してくれるトウコべなら宿題のわからないところをわかりやすく解説してくれます。
コメント