Tinderでネカマした話 男女の歪さを感じた

情事

彼女のいない生活が始まってしばらく経った頃、出会いを求めてマッチングアプリを始めた。

マッチングアプリでいろんな女性に会っている先輩に話を聞いた影響もあって。

設定してる時に気づいたのだが、意外と他撮りの自分だけの写真って少ない。誰かと写ってたり、誰かとの自撮りだったり、景色を撮ってたり。

高校の卒業旅行で、きれいな景色を背景にマッチングアプリ用の写真を撮ると宣言していた友達がいた。当時は何を言ってるんだ、と思っていたが、今考えると先見の明があったと言わざるを得ない。

なんだかんだあってTinderを使うようになった。

めっちゃマッチすると期待していたのに、なかなかマッチしない。

自己評価としては魅力的なほうだと思っている。なぜ、、。現実は甘くない。

調べるとどうやらTinderの男女比が圧倒的に男子に偏っているのだと。

悲しい。

それから少し経って、友達からネカマ(ネット上で男が女のふりをする)をしていいね稼ぎをすると女性ともマッチしやすくなると教えてくれた。

なるほど、いいねをもらっているユーザーほど他人の画面に表示されやすくなって、マッチしやすくなると。これを利用して、ネカマをして男性からいいねを稼いで人気のユーザーだと勘違いさせるのだ、と。

すぐに実行した。設定の「出会いたいのは…」の欄を男に変えて、女性っぽいプロフィールに変えるだけだ。

元カノや高校の女子の知り合いの写真を、顔がバレないように切り取ってプロフィールに使った。

申し訳ない。

ネカマの効果は一瞬にして現れた。

いいねがめっちゃつくのだ。

右スワイプすればすぐにマッチするし、連続でマッチしたりするくらいだった。

マッチした相手からは必ずメッセージが届く。

自分が男としてTinderを使うときは、どうしても女の人のプロフィールだけを見ることになるが、ネカマをして男のプロフィールを見るのは相手からの視点を知ることができて貴重だった。

まず、イケているかどうかくらいしか判断基準がないから、いい写真を使うことがめちゃくちゃ重要だとわかった。

これは自分が男だからなのかもしれないが、どんなにイケた写真を使ったユーザーであってもなんか気持ち悪く感じた。

あと、メッセージについても感じたところがある。

マッチすると大体向こうからメッセージを送ってくるのだが、「はじめまして!!」とかの内容のないメッセージを送られると、無視するほかない。

だって大量に送られてくるメッセージの中に似たようなメッセージは沢山あるし、話題の展開にもならないからである。

ただ、返信したくなるメッセージもあった。それは、会うために具体的な日時を聞いてくるメッセージだった。

「○日の△時から空いてませんか?」とか聞かれると、答えやすくてつい返信しそうになる。日時を聞いてくるメッセージはそこまで数が多くなかったから、差別化もできるし。

総じて感じたのは男女の歪さ。

自分が男として使った時には、まずマッチ数が少ないし、メッセージを送っても返ってこないこともざら。

それなのに、ネカマすると右スワイプのたびににマッチして、メッセージも大量に送られてくる。

大量に送られてくるメッセージを見て感じたのは、男というのは気持ち悪い生き物なのかもしれないということだった。

自分が、側から見て気持ち悪い集合である男に属していることが悲しい。

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